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私の記念碑

劇作家 永井愛/3 時代を個人の視点で

 一緒に劇団を率いてきた大石静が辞めると言い出すのを、永井は薄々感づいていた。その時は引き留めずに送り出そうとも決めていた。「やせ我慢。本当は不安で仕方なかった」。二人だから劇団を旗揚げし、演出までする勇気がわいたと思っている。「静は望まれてテレビの世界へ行くのに、私は演劇界に必要とされているわけではない。本当に心細かった」。変わらずついて来てくれるスタッフや新たに制作協力をしてくれる人のおかげで、二兎社を続けられた。

 3年後、転機が訪れる。それまでは「絵空事ではなく社会的視点を持っていたい」と、社会性のある作品を心がけ、身の回りの出来事を書こうとしなかった。だが実家の2階にある自室にいた時、1階で寝ている年老いた祖母の歌が聞こえてきた。日清戦争にからめた手まり歌だった。「うちのばあちゃんは日清・日露戦争から第一次、第二次大戦を経てここにいるんだと思うと、家族が持つ個人史は大きな時代史とつながっているという視点…

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