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文芸時評

4月 古井由吉氏追悼 作家たちの「定点」失う=田中和生

古井由吉氏

 二月に古井由吉が八二歳で亡くなったが、追悼記事が各文芸誌に出ている。『新潮』『文学界』『群像』『すばる』『文芸』のすべてに追悼文が出て、さらに『新潮』には古井由吉の遺稿、『文学界』には松浦寿輝と島田雅彦による対談、『群像』には富岡幸一郎の評論が掲載されており、壮観と言うしかない。いかに古井由吉という作家が大きな存在であったか、それらの追悼記事が雄弁に物語っている。

 もともと古井由吉は、私小説的な作品を書く「内向の世代」のひとりとして知られ、芥川賞受賞作の中篇(ちゅうへん)「杳子」(一九七〇年)、また『槿』(一九八三年)、『仮往生伝試文』(一九八九年)、『白髪の唄』(一九九六年)といった長篇の代表作がある。しかし圧巻は『辻』(二〇〇六年)以降の連作短篇集で、最新作の『この道』(二〇一九年)まで八冊刊行されているが、それによって日本語による現代文学の最高峰を示…

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