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余録

1890(明治23)年はコレラの流行で…

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 1890(明治23)年はコレラの流行で3万5000人余の死者が出た年だ。同じ年、東京と横浜で電話交換サービスが始まり、両市内の200台余の電話を結ぶところから日本の電話の歴史がスタートした▲で、何が起こったか。電話がコレラ菌を運ぶというデマが広がったのである。加入者は戦々恐々となり、電話のベルが鳴るとキャッと逃げ出した話まである。コレラの恐怖が、正体の分からぬ新しい技術と結びついて生まれた流言だ▲新型コロナウイルスの感染拡大にともなう流言やデマで耳を疑ったのは、欧州で広がった第5世代通信ネットワーク(5G)の通信がコロナ感染を広げるとの虚説である。電話でコレラがうつるというのと同類の恐怖流言といえよう▲このデマで、英国では5G通信施設と目されたアンテナなどの焼き打ちが相次いだという。病院の通信施設も放火されたが、これらは5Gと無関係だったとか。中国がリードする新技術デビューと重なったコロナ禍による変事である▲「インフォデミック」とは「情報」と「疫病の流行」の合成語で、デマ・流言の爆発的拡散をいう。世界保健機関(WHO)が警告に用いたが、今ではそのWHO自身が、トランプ米大統領からの陰謀理論めいた攻撃の標的となる始末だ▲差別や他者攻撃の温床となる不安が広がる感染症の流行期である。流言やデマ、フェイクニュースや陰謀理論など、たちの悪い情報感染症への免疫や抵抗力を身につけるのに、ある意味チャンスともいえる。

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