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記者の目

日本の象牙市場 許されぬ「惰性」の売買=五十嵐和大(富山支局、前東京科学環境部)

国内で販売される印章の材料となる象牙=トラ・ゾウ保護基金提供

 野生動植物を保護するワシントン条約で国際取引が原則禁止されている象牙。印章や三味線のばちなどに用いられてきた日本では、国内での売買が認められている。だが、中国など国内取引が禁じられた国へ違法に持ち出す事例が後を絶たず、国際社会からの批判が高まっている。こうした状況を踏まえ、東京オリンピック・パラリンピックの開催都市である東京都は、独自の規制を検討し始めた。これを機に、国も象牙の国内取引のあり方を見直すべきだ。

 象牙は表面が美しく、手になじみやすいことから、高級工芸品の材料として世界的に珍重されてきた。密猟などでアフリカゾウの生息数が減少したため、1989年にワシントン条約で象牙の国際取引が禁止された。そうした中で日本は違法取引に関与せず、国内市場も厳格に管理されていると主張し、象牙製品の国内取引を続けてきた。99年と2009年に特例としてアフリカ南部諸国から計約90トンの象牙を合法的に輸入。現在は未加工の全形牙約185トンが国の登録制度の下で管理され、印材用などに加工した象牙も約60トン残っている。象牙製の印章は1本数万円と高価だが、今も簡単に手に入る。

 しかし、国際社会では国内市場の存在自体が密猟や違法取引の温床になっているとの声が強い。16年のワシントン条約締約国会議で、象牙の国内取引禁止を各国に求める決議が全会一致で採択された。日本以外で今も国内取引を容認している国は、ドイツやロシア、韓国など少数派だ。

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