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社説

辺野古の設計変更申請 無理な計画をなぜ進める

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 米軍普天間飛行場の辺野古移設計画について、政府が沖縄県に設計変更を申請した。埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の改良工事のためだ。

 軟弱地盤に7万本超の砂のくいを打ち込んで地盤を固める。費用は当初予定の2・7倍の約9300億円に膨らむ。移設時期も当初の「2022年度以降」から30年代以降に大幅にずれ込む。

 工事は技術的にも政治的にも実現が遠のいている。巨額の費用を投じ、県民の理解を得ないまま強行する合理性があるのだろうか。

 軟弱地盤の最深部は、海面から90メートルに及ぶ。しかし、現在の技術では作業船から70メートルまでしか、くいを打ち込めない。

 政府は、70メートルより下は「非常に固い粘土層」なのでそこまで改良すればよいと説明する。一方で、軟らかい粘土層である可能性を示すデータが、外部の専門家の分析で出ていた。

 工事の根本にもかかわらず、防衛省は取り合わず、再調査を拒んだ。技術的な検討をする有識者会議も「再検討を要しない」と防衛省の見解を追認した。

 玉城デニー知事は、申請を承認しない考えだ。国と県は再び法廷闘争に入るとみられ、工事はさらに遅れる可能性がある。普天間周辺の住民はこの間も、激しい騒音や事件・事故などの危険にさらされ続ける。

 日米両政府が普天間の「5~7年以内の返還」で合意したのは24年前だ。県民は「辺野古ノー」の意思を繰り返し示してきた。昨年2月の県民投票では、埋め立てに「反対」が72%に上った。

 こうした民意は置き去りにされた。政府は軟弱地盤の存在を早くから把握していたが、昨年はじめまで明らかにしなかった。駆け込みで工事を始め、既成事実の積み上げを図った。不誠実な姿勢が国と県の亀裂を深めている。

 沖縄県の有識者会議は先月、実現困難な辺野古移設に固執するのではなく、日米両政府と県で協議会を作って普天間の機能を県外や国外に移転できるかを検討すべきだと提言した。

 今の計画を「唯一の解決策」と繰り返すだけでなく、普天間の危険性を速やかに取り除くという原点に立ち戻り、考え直すべきだ。

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