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新潟市内は今、色鮮やかなチューリップが美しく咲いている。新潟県は富山県と並び、チューリップの球根の代表的産地だ。雪の下で球根が栄養を蓄え、ゆっくりと春を待つ。新潟県では101年前から商業用生産が始まり、第二次大戦前後は米国などに輸出され、外貨獲得にも貢献した。
プラザ合意(1985年)後は価格競争力を失い、同県からの輸出はなくなったが、花として出荷する生産者が増えた。その後、再び大きな波が訪れた。88年、世界最大の生産国であるオランダの球根の輸入が自由化され、チューリップを含む同県での2017年の球根生産量は、90年の10%強まで減った。
それでも、厳しく品質管理される同県産の球根への評価は高い。新潟県花卉(かき)球根農協(五泉市)によると、「切り花農家や球根を扱う業者から国産の球根は不足気味で、もっとほしいといわれる」そうだ。期待に応えようと県内の約100軒の農家がチューリップの球根づくりに励んでいる。
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