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岡崎 武志・評『空の声』『右向け~っ、左!!』ほか

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今週の新刊

◆『空の声』堂場瞬一・著(文藝春秋/税別1700円)

 志村正順、松内則三、高橋圭三、宮田輝、そして本書の主人公である和田信賢(のぶかた)と、NHKアナウンサーが全国的なスターだった時代があった。とくに和田は女性ファンが多く、歴史的な玉音放送の担当者として伝説の存在だ。

 堂場瞬一『空の声』は、1952年ヘルシンキ・オリンピックの中継に加わり、帰路のパリで客死した和田の姿を、過去の業績を振り返りながら描く。「話の泉」、大相撲中継で人気の和田はこの時40歳。五輪放送は初めてで、待望の大役に胸をはずませていた。

 ところが長年の深酒もあり体調が最悪。高血圧でめまいがし、開会式本番にも目がよく見えない。戦後初の日本参加となるメモリアルな大会に臨み、戦後日本を鼓舞する役目を担いつつ、和田の命は今にも消えようとしていた。

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