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SUNDAY LIBRARY

木村 衣有子・評『福島で酒をつくりたい』上野敏彦・著

◆『福島で酒をつくりたい』上野敏彦・著(平凡社新書/税別880円)

 日本酒を選ぶとき、福島県産の銘柄があれば迷わずそれに決める。福島にしばらく通っていたことがあって、すっかり情が移っているから。それに、たいていはおいしいから。

 鈴木酒造店の「磐城壽(いわきことぶき)」は、福島のお酒だ。でも、時たま、居酒屋の品書き、あるいは酒屋の値札の横の添え書きに、山形の酒です、と記されているのを目にする。それも間違いではない。この蔵は、「福島県双葉郡浪江町請戸」と「山形県長井市四ツ谷」と、二つの住所を掲げている。

 太平洋を望む福島は浜通りにあった鈴木酒造店は、かつては廻船問屋だったそうだ。幕末から昭和初期にかけては「カツオ漁船七隻を持ち、カツオ節を作ってカナダへ輸出していた」というスケールの大きさ。しかし東日本大震災に遭い、酒蔵も、貯蔵していたお酒も流されてしまい「二年分の現金を失った」。長男・鈴木大介さんの東京農大時代の同級生が家業を継いでいる山形は米沢にいっとき身を寄せつつ、そこからそう遠くない長井で…

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