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詩の橋を渡って

まなざしの先に「いのち」=和合亮一(詩人)

こばととはなんだろう

とけて

せいれつしていく

 新型コロナウイルスの影響により、外出を避けることの呼びかけが連日のようにある。福島で経験した震災の日々と重ね合わせて、あれこれと考えをめぐらせる時間が多くなった。詩を読む静かな時間の中に扉を探し出そうとして言葉をたどり、自分も何かを形にしていきたいと思い続けているが難しい。伊藤芳博の詩集『いのち/こばと』(ふたば工房)と出会った。クリーム色の装丁に沈んだ心が洗われて、励まされるかのようだ。

 伊藤は知的障害、肢体不自由、病弱、重複障害を有する、小学1年生から高等部3年生までが在籍している特別支援学校に長く勤務して、今春に退職した。国語を教え続けた。「言葉にならないことばをいのちとして感じることができたことに、詩を書く者としても感謝している」とあとがきにある。「いのち」という響きが柔らかく深く染みてきた。私もまた国語教員であり詩を書く者であり、一文に触れて原点を見た思いがする。

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