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2人の仲近づけた雨飾山 深田久弥に不実の恋物語

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大展望が楽しめる雨飾山の山頂
大展望が楽しめる雨飾山の山頂

 登山ブームを先導した深田久弥(きゅうや)(1903~71年)の著書「日本百名山」の中でも、雨飾(あまかざり)山(1963メートル、長野・新潟県境)は著者にとって特別だ。運命的な出会いで結婚した志げ子(1908~78年)と初めて目指した山だからだ。なれそめはラブロマンスだが、それは不実の恋でもあった。

 出会いは久弥が20歳の旧制高校生、志げ子が15歳の高等女学校生の時だった。久弥は、いくつかの随筆で振り返っている。「ある秋の日、(学校近くの)通りで一少女に眼(め)をとめた。すれ違う回数が増すにつけ心はひかれ、しまいには帰宅する時刻を見計って通りへ出た。私は臆病で、声をかけるのはおろか、目くばせ一つ出来なかった」

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