メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

月刊・時論フォーラム

米軍のアジア太平洋展開/食料危機への警告/「集まり」の終えん?

米海軍横須賀基地に入る原子力空母ロナルド・レーガン(2019年11月2日、岩崎信道撮影)。今年3月、乗組員が新型コロナウイルスに感染したことが判明した

 時々のテーマを3人の識者が縦横に論じる本欄は、新しい執筆者として山本章子氏、藤原辰史氏、田中研之輔氏を迎えた。初回のテーマはともに新型コロナウイルス。猛威を振るい、出口も見えないコロナ禍が私たちの社会に突きつけている現実や課題を、それぞれの専門領域から論じた。

 ◆米軍のアジア太平洋展開

 国際通貨基金(IMF)は、2020年の世界経済が「大恐慌以来最悪」のマイナス成長に陥るとの予測を発表した。アントニオ・グテレス国連事務総長も、新型コロナウイルス感染症対策をまとめた報告書を発表するにあたって「国連の創設以来、最大の試練だ」と述べる。しかし、この危機の原因を新型コロナ感染の世界的流行だけに求めてよいのだろうか。諸分野の構造的な問題が感染流行によって一挙に顕在化したという点を見逃してはならない。アジア太平洋地域での米中の対峙(たいじ)状況がよい例である。

 米海軍の原子力空母セオドア・ルーズベルトは、20年2月から南シナ海で艦隊を率いて中国海軍の進出を抑えるための作戦行動を展開していた。3月24日、乗組員3人が新型コロナウイルスに感染していることが判明する。艦長は、ダイヤモンド・プリンセス号のように艦内で感染が拡大することを危惧。「全乗組員の生命を守るために、可及的速やかに乗組員を汚染されている空母からグアムに上陸させるように」求めた書簡を広範囲に送付し、米メディアにも取り上げられた。その結果、艦長は「指揮系統を混乱させ」たとして解任される。だが、性急な解任人事を行った海軍省のトップの海軍長官代行が、艦長を「あまりに世間知らずかばか」だと評すると、海軍内部や米メディア、米連邦議会から海軍長官代行の辞任を求める声が上がる。海軍長官代行は4月7日に辞任した。

 一連の解任騒動の背景には、アジア太平洋で任務を遂行できる米海軍空母がルーズベルトしかないという問題がある。同空母で感染が発覚する前日、マーク・エスパー国防長官は、米軍内の感染拡大が即応力の低下につながることへの懸念を表明していた。3月27日からグアムに寄港中のルーズベルトの乗組員約4800人のうち、4月14日時点で585人の感染(うち1人死亡)が確認されたが、エスパー国防長官は「できる限り早期に…

この記事は有料記事です。

残り3441文字(全文4377文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「五輪予算で都民の命救える」早期中止訴え 宇都宮氏が都知事選出馬会見

  2. フジテレビ、「テラスハウス」打ち切り 木村花さん急死で

  3. 国民民主「10万円再給付を」「消費税5%に」追加経済対策案 

  4. 大阪モデル基準変更 吉村知事「誤解与えないため」、山中さん「信頼揺らぐ」

  5. 北九州市で5日連続の感染確認、計22人に 施設を臨時休館

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです