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社説

コロナと食料供給 危機回避へ警戒強めよう

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 コロナ禍を背景に、食料輸出を規制する国が出てきた。こうした動きが広がって食料危機に発展しないよう、各国は警戒を強めなければならない。

 3月以降、ロシアやウクライナ、ベトナムなどが農産物の輸出について上限を設けたり、禁止したりする措置を取った。感染拡大で供給が減り、国内の価格が上昇する事態を懸念したためだ。

 世界貿易機関(WTO)は、国内で食料が欠乏した場合を除き、輸出規制を禁じている。

 主要20カ国・地域(G20)の農相は22日、不当な輸出規制を行わないことで合意した。現時点で、穀物の在庫に不足はない。小麦の国際価格にも大きな変動は見られない。既に実施された輸出規制は妥当なのか、検証が不可欠だ。

 さらに心配なのは、事態が長期化して農産物の生産が低下したり、物流が停滞したりして、食料の供給網が寸断されることだ。

 危機が起きて最も影響を受けるのは、食料を輸入に依存している途上国だ。コロナ問題を背景とする自国通貨安や資源価格下落の直撃を受ける中で食料価格が高騰すれば、ダメージは大きい。

 アフリカでは、バッタの大群に農作物を食い荒らされる被害も広がり、深刻な食料不足が懸念される。迅速な支援が欠かせない。

 主要国は国際機関とも協調し、農産物の生産量や在庫、価格などに対する監視を強め、危機の芽を早期に摘む必要がある。

 生産から輸送、加工まで、食料供給に携わる部門で感染を拡大させない目配りも必要だ。異変を見つければ、すぐに備蓄の放出などで市場を安定化する措置も求められよう。

 食料危機は政情不安に直結する。アフリカやアジアでは2007年から翌年にかけての食料価格高騰が、暴動やデモを誘発した。当時は、干ばつやバイオ燃料ブームによる供給減に加え、投機資金が価格を押し上げ、輸出規制も相次いだ。今回は感染拡大が供給のボトルネックになりかねない。

 食料自給率が低い日本は、生産国に安定供給を粘り強く訴え続けなければならない。問題のある輸出規制に対しては、消費国間の連携を強め、WTOなどの場でしっかり問題提起してもらいたい。

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