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社説

疲弊する医療従事者 献身に応えるサポートを

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 新型コロナウイルスの感染者が増え続け、医療従事者が最前線で対応に当たっている。心身の疲弊は想像に難くない。

 各地で人手が足りない。医療用のマスクやガウンなどの防護具は底を突いている。家族への感染を心配して帰宅しない人もいる。社会全体で支える必要がある。

 それなのに、医師や看護師らから感染者が出た医療機関に勤務する人が、差別的な扱いを受けるケースが後を絶たない。感染者が入院する病院でも、同様のことが起きている。

 「保育所から子どもの通園を拒まれた」「家族が会社から出勤停止にされた」「転勤の際に引っ越し業者から運送を断られた」。医療従事者の団体には、そんな声が次々と寄せられている。

 周囲の理解が得られず、退職する看護師も出てきているという。

 2月には、横浜港でクルーズ船の対応に当たった医師らが差別にさらされたとして、所属学会が抗議声明を出した。だが、その後も改善されていない。

 ウイルスに対する不安や恐怖が、差別的な言動につながっているのだろう。

 しかし、そういった言動は、大きな負担を抱えている医療従事者を追い詰めることになる。現場の状況が悪化すれば、結果的に医療崩壊を招きかねない。

 医療従事者の心のケアが欠かせない。相談窓口を設けた自治体や関係団体がある。さらに充実させるべきだ。人材や防護具を確保し、労働環境を改善するための公的な支援も急務である。

 こうした中、医療従事者を支える動きが市民に広がりつつある。

 東京の有名シェフらは都内の病院に無料で食事を届けている。大阪市が防護具として雨がっぱの提供を呼びかけると、30万着以上の申し出があった。医療物資の寄付や代用品の開発も行われている。

 海外にならって一斉に拍手を送ったり、建物をライトアップしたりして、医療従事者に感謝の気持ちを示す取り組みもある。

 医療従事者だけでなく、ライフラインを支えている人たちを、一人一人ができる範囲でサポートしたい。感染を拡大させないための行動が、現場で働く人々の負担を軽くしていくことになる。

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