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私事で恐縮だが先日、60歳、還暦となった。天皇陛下と同じ1960年生まれである。この年は政治的には岸内閣で日米安保条約が改定され、池田内閣が「所得倍増計画」を表明し、経済成長が明確に国家政策の中軸に据えられた年である。社会的には三井三池大争議が起き、結果的に労働運動の主流が労使協調路線へと転換し、また、国民皆保険・皆年金がスタートする前年でもある。
すなわち、終身雇用、年功制、労使協調を基盤とした日本的「カイシャ」が社会の基本共同体単位となり、それが「加工貿易立国」モデルの経済成長をけん引し、同時に多くの日本人の働く場所とその家族の生活を生涯にわたり保障し、それを国もサポートする仕組みが形成されるエポックの年が1960年なのである。
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