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コロナショックの現場から

治療最前線「ぎりぎりの精神状態」 患者や社会の無理解… 東京臨海病院・院長に聞く

院内の見取り図を示しながらコロナ専門病棟の現状について語る東京臨海病院の小林滋病院長=東京都江戸川区で2020年4月21日午後2時15分、吉田卓矢撮影

 感染拡大が続く新型コロナウイルス。最前線の医療現場では医師や看護師、検査技師らが防護服に身を包み、懸命の治療に当たっている。1フロア全てを新型コロナ患者専門病棟に充て、対応に当たっている東京都江戸川区の東京臨海病院の小林滋病院長が毎日新聞の取材に応じ、最前線の現状と、スタッフや病院が直面している風評被害の実態などについて語った。【聞き手・吉田卓矢/統合デジタル取材センター】

 ――感染患者を受け入れることになった経緯について教えてください。

 ◆2月5日に江戸川区から要請があり、7日に帰国者・接触者外来を開設しました。当院は感染症指定医療機関ではないので、当初は感染疑いの患者が来ればPCR検査のための検体を採り、結果が出るまでウイルスの拡散を防ぐ陰圧病室に入ってもらって、感染判明時点で感染症指定医療機関に送るという対応を取っていました。

 一方で、2月9日に多くの感染者が出た「ダイヤモンド・プリンセス」にDMAT(災害派遣医療チーム)を派遣してほしいとの依頼を国から受け、派遣を決めました。翌10日には船内の感染患者の受け入れ依頼もあり、11日に初めて感染患者を受け入れました。

 その後は感染疑いの患者を救急外来で受け入れていましたが、徐々に患者が増えて一般の救急患者と交わるリスクが生じたため、発熱外来の設置を決断し、3月27日に全職員に説明しました。一般外来患者と完全に分けるため、人間ドックを行っている健康医学センターを発熱外来にしたのですが、予約者全員に断りの電話を入れる必要があり、設置は5日後の4月1日となりました。3月31日には入院患者の面会も禁止にしています。

 ――発熱外来に来る患者や陽性患者数は、どのように推移していますか。

 ◆患者は発熱外来を設置するまで徐々に増え、設置後は1日20人程度で推移しています。発熱外来では、コンピューター断層撮影(CT)や血液検査、PCR検査の検体採取などを行います。医師、看護師、検査技師、事務員全員が防護服にN95マスク、ゴーグル、手袋などを着用しての作業になるため、この患者数でも大変です。CTは3台のうち1台を発熱外来専用にしました。

 発熱外来で受診した人のPCR検査の陽性率は、当初は5%に満たなかったのですが、3月20日ごろから増え始め、現在は27%ほどです。

 ――感染患者の入院受け入れ態勢について教えてください。

 ◆感染患者の入院は当初、12室ある陰圧病室で対応していました。しかし患者があふれる可能性が出てきたため、3月16日に新型コロナ専門病棟を設けました。当院の病棟は建物の3~7階にあり、3階の集中治療室(ICU)を含めて計約400床あります。4~7階は一般病棟で、各階ともA、B、Cの3病棟に分かれており、このうち7階のB病棟の30室を専門病棟にして、弱陰圧状態にしました。実際に、専門病棟に患者が入ったのは3月27日です。しかし、患者が増え続けたため、7階のA、C両病棟の患者も3~6階に移し、A病棟にも患者を入れ始めました。感染患者の対応は1人に対して看護師2人がチームを組んで対応します。スタッフ数に限界があるため、7階のC病棟は閉鎖しています。

 一方、重点管理が必要になった患者は3階のICUに移して人工呼吸器などによる治療を行っています。ICUは10床のうち6床を感染者用としました。ICUを含めて現時点で41床が感染患者で埋まっています。受け入れ可能病床数は対応するスタッフの人数から考えるとあと14床程度でしょう。

 ――一般外来の診療などへの影響はありますか。

 ◆あります。当院には、内科や外科、整形外科、救急科など25診療科があり、それぞれに2~4個の診療ブースを設けていましたが、全…

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吉田卓矢

1976年生まれ、兵庫県明石市出身。2005年入社。奈良支局、高松支局、大阪科学環境部、福井支局次長、水戸支局を経て、2019年秋から統合デジタル取材センター。原発や震災・防災、科学・医療などを中心に取材してきた。

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