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余録

米ソ冷戦で、どちらの体制が優れているかの…

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 米ソ冷戦で、どちらの体制が優れているかの宣伝合戦たけなわの1962年5月のことだ。ケネディ米大統領は「米ソの違いはスーパーマーケットがあるかないかだ」と業者の大会にメッセージを寄せた▲「1時間で買えるバスケットの中身の違いこそが米ソの違いである」。この言葉に感動したダイエー創業者の中内功(なかうち・いさお)が、日本にスーパーを一気に普及させた逸話(いつわ)はよく知られる。そのケネディは2カ月前に歴史的教書を公表していた▲安全である権利、知らされる権利など、消費者の権利を初めてうたった特別教書である。スーパーが商品を大量供給する社会では、消費者の権利擁護が不可欠とみたのだ。そんな「スーパーのある社会」にとっても、初の試練である▲混雑するスーパーの現状に、東京都は新型コロナウイルス対策として「3日に1度」の利用を求めた。一方、スーパー側からは、従業員の感染不安、客のクレーム対応での疲弊(ひへい)などから、「スーパー崩壊」の危機を訴える声まで出た▲「ステイホーム(家にいよう)」が合言葉となった今日、地域の暮らしを支える補給基地となったスーパーである。そこを感染や疲弊から守る取り組みへの協力は、消費者の権利の筆頭――「安全である」のを守ることにほかならない▲ケネディ教書の20年後、国際消費者機構は消費者の責務をも定めた。その一つが「社会的関心」、つまり消費行動の他者、とくに弱者への影響を自覚する責務だった。「スーパーのある社会」のモラルの基本だ。

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