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社説

コロナ禍の中小企業 日本の強み守る手立てを

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請や外出自粛の影響で、多くの中小企業が経営難に直面している。

 企業は売り上げがなくても、家賃や機材のリース料といった費用がかかる。稼ぐ力はあっても、当座の資金を集められず、廃業を迫られる経営者が増えている。

 政府は、実質無利子・無担保の融資や給付金で支援するが、手続きに時間がかかる上、規模も不十分だ。ようやく与野党が家賃負担の軽減策を検討し始めた段階で、対応の遅れは否めない。

 ここは、政府の支援策を待たずに産業界で助け合い、難局を乗り切る局面だ。

 余力のある取引先は、家賃やリース料の支払いを猶予したり、減免したりして、中小企業の資金繰りを支えてほしい。

 不動産会社やリース会社にとっては、重い負担だろう。ただ、テナントや取引先を失うことによる損失を考えれば、意義は大きい。

 業界を挙げて中小企業を支援する動きもある。自動車業界は、大企業が資金を出し、技術や人材を持つ中小企業の資金繰りを支えるファンドを作る方針だ。

 大企業は現金などの内部留保を増やしてきた。少しでも余裕があれば、産業基盤を維持する視点で活用することが求められる。

 中小企業には、資金を受け入れると経営に口出しをされるのでは、との心配もありそうだ。大企業は互助の精神で取り組むのが基本だ。

 一方で、コロナ禍の前から、後継者難で廃業を選ぶ経営者も出ていた。存続をあきらめる企業から、同業者が事業や人材を引き継ぐといった対応も必要となろう。

 中小企業は、独自の技術とサービスで、製造業のサプライチェーン(供給網)を支える。東日本大震災では中小を含む部品メーカーが被災し、広域で生産が滞った。

 日本のものづくりは、企業同士の長期的な信頼関係を強みとしてきた。コロナ後の景気回復を見据えれば、供給網を維持する取り組みは欠かせない。

 雇用の約7割を抱える中小企業の経営難は、地域経済に大きな影響を及ぼす。ものづくりの劣化や生活不安の高まりを防ぐために、産業界は連携を深めるべきだ。

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