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松原隆一郎・評 『教養の書』=戸田山和久・著

『教養の書』

 (筑摩書房・1980円)

 大学新入生向けに「大学で学ぶ意味」を説く体裁ではあるものの、著者が語っていない位置づけをすると、文科省主導による大学改革の混乱とビジネス界における「教養本ブーム」の後を受け、大学側から投げ返された教養への誘(いざな)いの書である(とはいえ文体は香具師(テキヤ)風)。

 「教養書ブーム」といえば大正時代から昭和初期にかけ旧制高校生がむさぼり読んだ阿部次郎『三太郎の日記』や西田幾多郎『善の研究』が思い浮かぶが、戦後の新制大学の教養学部では、丸山真男や大塚久雄、川島武宜ら「市民社会論」の旗手たちの著作が輪読された。

 本書もまたその線上にあって、教養人の定義は「社会の担い手であることを自覚し、公共圈における議論を通じて、未来へ向けて社会を改善し存続させようとする存在」。教養を修得すれば、利害関係ある人々があくまで話し合いで問題を解決し意志決定する理想的な社会を担いうるというのだ。

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