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盗まれたアイヌの遺骨 足元の歴史を知る=梯久美子・ノンフィクション作家

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=竹内幹撮影
=竹内幹撮影

 新型コロナウイルスの影響で、美術館や図書館、博物館など文化施設の多くが休館している。4月24日に予定されていた北海道白老町のアイヌ文化施設「ウポポイ」(正式名称は民族共生象徴空間)のオープンは5月29日に延期された。ここの慰霊施設に納められている、ある遺骨の話をしようと思う。

 今から141年前の1879年、あるドイツ人によって、札幌のアイヌ墓地から男性の頭骨が盗み出され、アイヌの骨を欲しがっていたベルリン大学の医学者、ルドルフ・ウィルヒョウに寄贈された。

 当時の形質人類学では、頭骨のサイズと形状に人種の違いがあらわれるという前提で研究が行われていた。背景にあったのは、人種間に優劣をつけ、植民地支配を正当化しようとするイデオロギーである。

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