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社説

視覚障害者の支援 官民で知恵を出し合おう

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 情報の入手と移動に困難が伴う視覚障害者は、コロナ禍でさらに厳しい状況に置かれている。

 買い物は普段からハードルが高い。今はマスクや消毒液はもちろん、生活必需品の入手にも苦労することが多い。店を見て回ったり、列を見つけて並んだりすることが自力では難しいからだ。

 店頭の様子が分からず、何が品不足なのかつかめない。ネットショップで売り出されても、パソコンやスマホを自在に使える人は少ない。

 注目したい取り組みがある。福井県は、マスクを買える券を県内全世帯に配り始めた。期限内なら券と引き換えにマスクが手に入る。本人が店舗に出向かずにヘルパーが代行してもかまわない。

 高齢者や障害者らが優先して入店できる時間を作ったスーパーもある。客が少ない朝の時間帯を「買い物弱者」に充てる取り組みだ。大阪府もスーパーなどに優先時間を確保するよう要請した。

 情報が十分に手に入らなければ、不安はいっそう膨らむ。

 テレビが伝える毎日の感染者数などの情報は、視覚障害者には一部しかわからない。インターネット上の情報は、グラフなど視覚的な表示が多い。

 東京都の特設サイトは当初、感染者数をグラフだけで示していたが、音声を読み上げるパソコンソフトに対応させた。刻々と変わる情報に即応できる。こうした改善の動きが広がってほしい。

 福祉サービスを提供する事業所は外出自粛を受け、4月の収入が1月の半分程度に落ち込むところが多いという。窮状が長引けば、運営できなくなる。障害者の生活への影響は計り知れない。

 視覚障害者自身が感染し、病院やホテルで過ごす場合、適切なサポートが受けられるのかも気がかりだ。

 国立がん研究センターなどの職員で作る厚生労働省の研究班は、視覚障害者への対応で配慮すべき点を、受け入れ施設に伝えるリーフレットを作成中だ。

 国は、社会的弱者が直面するさまざまな困難に目を配る必要がある。実態を把握し、良い取り組みを後押しすることが欠かせない。官民が知恵と工夫を持ち寄って、苦境を社会全体で乗り越えたい。

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