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ブラック・チェンバー・ミュージック

/261 阿部和重 写真・相川博昭

 途端にすべての赤唐辛子を顔面で受けとめてしまい、横口健二はむせて激しく咳(せ)きこむ。罰ゲームみたいな仕うちではあっても、体の自由が利かない者には地獄でしかない。

 おつかい役の男にとっても予期せぬ事態だったらしく、驚いて手をひっこめてくれた。それゆえまばたきは可能になったものの、眼球へのカプサイシン直撃をまぬかれたわけではない。顔を左右に振るなどしてなんとか赤い粉を床へ落としきったが、両目が火を噴いているみたいに熱をおび、咳と涙がとまらず息ぐるしくてならない。こんな目に遭うくらいならあらいざらい事実を白状しちゃおうかと心もゆらいでしまう。

「はいはい、え、なに? ああ、はいはい、なるほどね、はあ、そういうことだったんですか――」

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