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いま文化は

新型コロナ 悲しみと怒り、エネルギーに 寄稿・齋藤雅文(劇作家・演出家)

齋藤雅文さん=根岸基弘撮影

 私は劇団新派の文芸部員として「大つごもり」「十三夜」などの樋口一葉(いちよう)作品や、一葉を慕っていた泉鏡花の「婦系図(おんなけいず)」「日本橋」などの舞台に長く携わって来た。

 「婦系図」は、恩師尾崎紅葉から、芸者桃太郎(後のすず夫人)との仲を厳しく禁じられた鏡花自身の体験を「お蔦(つた)主税(ちから)」の悲恋物語として劇化したものだ。舞台監督として劇場で毎日これらに描かれる薄幸の女たちと向かい合っていた私は、いつしか、結核で死んでいったお蔦が長生きしていたら、一葉が穏やかに歳(とし)を重ねていたら……と夢想するようになった。

 「恋ぶみ屋一葉2020 有頂天作家」は、そうして生まれた作品だ。いや、生まれるはずの作品だった。「おはよう」「こんにちは」と繰り返される「当たり前の今日」が永く続くようにと祈りをこめた物語だったが、はしなくも、私たちは「当たり前の今日」を失ってしまった。

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