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最初の患者確認から約3カ月で累計600人を超えた道内の新型コロナウイルス感染者。医療現場では未知のウイルスとの闘いとともに、地域医療を守るための瀬戸際の対応を続けてきた。だが、収束の見通しが立たない中、マンパワーや必要な物資、情報の不足が各地で顕在化し、医療崩壊を懸念する声も漏れる。
「せきが出るんです」。2月中旬、60代男性が市立函館病院を訪れた。検査の結果、道内4例目の新型コロナ感染者と確認され、さらに問診に立ち会った女性看護師の感染も判明。院内の緊迫感は一気に高まった。
同病院は患者の隔離が可能な感染症病棟を備えた「第2種感染症指定医療機関」。感染者は相次ぎ、わずか10日間で全6床中4床が埋まった。「医師と看護師は防護服にマスク、ゴーグルを着用し、30分も作業すれば汗だく。肉体的にも精神的にも追い詰められた」と森下清文院長(66)は振り返る。幸い、今は地域の感染拡大は比較的緩やかだが「仮に2~3日で200人の感染者が出れば、医療機関はどうにもできない」と懸念する…
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