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俳句月評

いまなぜ鬼房か=岩岡中正

 いま俳句が「痩せ続けている」(菅野孝夫「棒」七号)と言われると、どこか思い当たって忸怩(じくじ)たるものがある。そんな時、佐藤鬼房(おにふさ)俳句集成第一巻『全句集』(朔出版)が出た。いまなぜ鬼房か。

 第一に本書から私たちは、俳句を作る主体の苦悩や重さが問われるだろう。みちのく、昭和の戦争や生活、病気という鬼房の「苦患に満ちた生きざま」を通してその「修羅の果てに見えてくる」「肉声」の文学が、鬼房の魅力。

 この十四の句集の集成から私たちは、新興俳句から社会性俳句の旗手となり、さらに一切の観念を排し豊かな風土性土俗性を備えた、言葉の真の意味での骨太な「ヒューマニスト」へと成長する過程を見、その生きざまを通して、強固で豊かな主体性に学ぶのである。

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