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「よりによってこの時期に…」新型コロナでお披露目なし 宙に浮く施設命名権の行方

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4月1日にオープンした「くら寿司スタジアム堺」=くら寿司提供
4月1日にオープンした「くら寿司スタジアム堺」=くら寿司提供

 新型コロナウイルスの感染拡大でスポーツなどのイベントが軒並み中止となった影響で、企業は施設のネーミングライツ(命名権)を取得しながら、企業名を含む新たな施設名(愛称)の露出の場を失っている。中には命名権を取得後、愛称を一度もお披露目できていないケースもあり、契約段階で想定していなかった事態に困惑が広がっている。

狙い外れた広告宣伝効果、地域貢献

大阪府の南部で最大規模となる5000人収容の野球場として、堺市が約30億円を投じて整備した原池公園野球場(同市中区)は、回転ずし大手のくら寿司(同)が年500万円の5年契約で命名権を取得し、4月1日に「くら寿司スタジアム堺」としてオープンしたばかり。同社関係者は「よりによってこのタイミングで……」と嘆息を漏らす。3月末に計画していた元メジャーリーガーの上原浩治さんらを招いてのオープニングイベントやプロ野球・オリックスの2軍戦は中止に。一般利用のみでスタートしたものの、緊急事態宣言を受けて1週間で閉鎖となり、5月6日まで休業となった。

 契約では今回の事態は想定しておらず、広告宣伝効果に加えてスポーツを通じた地域貢献を目指していた同社の計画は大きく狂った。球場の利活用を広げようと学童軟式野球の全国大会に特別協賛し、大会名も「くら寿司・トーナメント」としたが、5月2日の開幕延期はおろか、開催自体も不透明に。夏の甲子園を目指す高校野球の大阪大会の会場として地域への浸透も期待したが、先が見えない。同社広報部の小山祐一郎さんは「この状況下なので強くは言えないが」と前置きしつつ、「高校野球ができないとなれば球場名の露出はかなり少なくなる。(契約額の)減額について市への相談も検討する可能性はある」と話す。

 5月に開業予定だった栃木県総合運動公園陸上競技場(宇都宮市)は、ホームセンターなどを展開するカンセキ(同)が年1800万円の3年契約を結び、「カンセキスタジアムとちぎ」となった。東京オリンピックを控えたサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の強化試合が6月に予定され、PRの機会だったが中止になった。サッカーJ2栃木の試合も白紙状態。同社の野尻昌彦総務部長は「地元企業として応援したい思いで応募したが、まさかこんなことになるとは想像していなかった。早く収まってほしい」と願う。

 J2福岡の本拠地・博多の森球技場(福岡市博多区)の命名権はベスト電器(同)が年3600万円の3年契約で取得。「ベスト電器スタジアム」に変わったが、お披露目予定だった3月1日の福岡のホーム開幕戦は延期され、少なくとも5月末まで使用予定がない。契約料に見合う宣伝効果は現状難しく、同社は「どうしようもない。何とも致し方ない」と思い悩む。

現実味帯びる減額、月割り

 スポンサー側の企業と同様に、自治体などの施設側も想定外の事態に早期収束を願うが、意見に違いはある。

 くら寿司と契約した堺市は…

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