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新型コロナおさらい 家庭での対策 今こそ再点検(その1) 正しい知識備え

新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

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 政府の緊急事態宣言が全国に拡大され、迎えた大型連休。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ最大の力は、正しい知識と、一人一人が行動を変えることだ。何度でも確認したい、ウイルス対策に役立つ知識をまとめた。

息苦しさ顕著なら相談を

 !受診の目安、37.5度以上4日

 厚生労働省は、新型コロナウイルスに関する相談や受診の目安を「風邪の症状や37・5度以上の発熱が4日以上続いた場合」としている。

 感染すると重症化しやすい高齢者や持病のある人については従来「2日程度続いたら相談を」としてきた。しかし政府の専門家会議は4月22日、何日も様子を見るのではなく「場合によってはすぐにでも相談を」と強調した。重症化の防止がより重要な局面になったとの判断からだ。

 相談は各地の帰国者・接触者相談センターに電話で。感染の疑いありと判断されれば、紹介された医療機関を受診する。

 新型コロナは「寝ているのもつらい」と表現する人がいるほど強いだるさも特徴の一つ。高齢者もそれ以外の人も、強いだるさや息苦しさがあれば、熱などがなくても直ちにセンターへ連絡する必要がある。

 感染者が急増している地域では、センターへの電話がつながりにくい、検査がなかなか受けられないなどの問題が深刻化している。専門家会議はこのため、自治体が地域の医師会と連携するなどして診療・検査態勢の増強を進めるよう提言した。

厚生労働省コールセンター

 (電話相談窓口)

 0120・565653

 通話無料

 午前9時~午後9時

症状長引き強いだるさ

 !初期は発熱、せき

 新型コロナウイルス感染症の発病初期に見られるのは発熱、せき、喉の痛み、体のだるさなど典型的な風邪症状だ。下痢や嘔吐(おうと)を伴う場合があるほか、においや味の感覚の異常を訴える人もいる。潜伏期間は1~14日。

 普通の風邪やインフルエンザが3~4日で快方に向かうのに対し、新型コロナは症状が長引き、軽症でも7日程度は症状が続く。強いだるさの訴えが多いのも特徴だ。

 患者の約8割は軽症。約2割が肺炎を起こし、一部は人工呼吸器が必要になるほど重症化し、死亡するケースもある。中国の4万4000人余りの分析では、感染した人のうち、死亡した人の割合を示す致死率は2・3%。高齢者のほか、糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの持病がある人は重症化しやすく進行が速いケースもある。

無症状も予防を

 !感染経路は飛沫と接触

緊急事態宣言の発令から1週間を迎える中、マスク姿で家路につく人たち=東京都新宿区で14日、手塚耕一郎撮影

 新型コロナウイルスの感染経路は、せきやくしゃみで飛散するしぶきを吸い込むことによる飛沫(ひまつ)感染と、物に付いたウイルスを通じてうつる接触感染の主に2通りがある。マスクを着用するなどしてしぶきを飛ばさない「せきエチケット」を誰もが守ることが大事。それに加え、ウイルスは目や鼻、口の粘膜を通じて入り込むため、洗っていない手で顔を触らないようにして身を守ろう。

 感染者は、症状が出る2日前から人に感染させる可能性がある。「周囲にうつしやすいのは活動的な若者ではないか」との見方があったが、ウイルス排出量は年齢が上がるほど増えるという研究結果も最近報告された。感染しても症状が出ない人も少なくない。「無症状でも全ての世代がうつす」と考えて感染予防に取り組みたい。

 飛び散ったウイルスは、環境中でもしばらくの間、感染力を保つことが分かってきた。米国の研究では「エーロゾル」という微粒子の状態だと、空気中に3時間残ることが分かった。ただ、エーロゾルによる感染が問題となるのは主に医療現場だ。家庭ではこまめな換気を心がけよう。

 滑らかな表面では、ウイルスの残存時間はより長くなるようだ。銅板で4時間、ステンレスで48時間、プラスチックでは3日間、感染力が残ったという。

 良いニュースは、せっけんやアルコールでウイルスを簡単に不活化できること。家庭内の消毒は塩素系漂白剤の薄め液が適している。

個室で安静に、こまめに換気

 !軽症 自宅療養も

 重症患者の医療を確保するため、軽症の人は自宅療養となる可能性がある。家族への感染リスクをできる限り減らす、療養の注意点をまとめた。

 患者本人は、脱水を防ぐため水分を十分に取り安静にする。せきなどのしぶきを広げないようマスクをしよう。1日2回(朝夕)は検温し、体温と時間を記録する。熱や痛みを緩和する市販薬を飲んでもよいが、薬の種類は記録しておく。

 注意すべき症状は息苦しさ。肺炎の可能性があるので我慢せず、自宅療養を指示された医療機関などに電話で連絡する。

 厚生労働省は4月初旬、自宅療養の際の家族への感染防止策をまとめ、自治体などに通知した。それによると、療養は個室にし、十分に換気をする。世話をする人はできるだけ限定。患者の部屋に入る時はマスクをし、せっけんで小まめに手洗いをする。マスクの外側は触らないように。

 洗面所やトイレは患者専用にするのが望ましい。家族と共用する場合は頻繁に清掃、消毒と換気を行う。患者の入浴は家族の最後にする。ドアノブなど患者が触れた物の表面は塩素系漂白剤の薄め液などで1日1回以上拭き掃除を。患者の衣類やシーツ類は家庭用洗剤で洗濯して完全に乾かす。患者の体液や汚物に触れるとき、清掃や洗濯の際はマスクと手袋、使い捨てエプロンを着用する。

 海外では、飼い主からペットの犬や猫が感染した例が少数ながら報告されている。療養中の部屋にはペットを入れないように注意しよう。

子どもも要注意

 !親からの感染予防を

 新型コロナウイルス感染症の患者に子どもは少ないが、中国や米国の研究により、感染しやすさは大人と変わらないことが分かってきた。

 ただ、重症になる割合は大人と比べるとかなり低い。理由は明らかではないが、感染症の専門家の話では、免疫が未発達なことが幸いしている可能性がある。大人の重症者の一部では、免疫が過剰反応して自分の体を痛めつけてしまう現象がみられるが、子どもではそうした反応が起きにくいのではないかという。

 日本小児科学会によると、感染した子どものほとんどは家庭内で親からうつっており、子ども同士の感染は少ない。このため、保護者や周囲の大人がかからないように注意することが、子どもを守るのに大切だとしている。同学会はまた、子どもにとって遊びはとても重要だとしつつ、外出自粛要請が出ている間は、同居のきょうだいや家族で遊ぶことを基本とし、屋外では他人との接触を避けるよう助言している。

効果検証は不十分

 !既存薬活用急ぐ

 特効薬がない新型コロナウイルス感染症の治療には、人への投与実績がある既存の薬の活用に期待がかかっている。国内でも急ピッチで進んでいる臨床研究の初期のデータが集まりつつある。

 世界的に注目されているのが、米バイオ医薬品メーカーがエボラ出血熱の治療目的で開発したレムデシビル。細胞を使った実験で、他の薬より低濃度で新型コロナウイルスの増殖を抑えたとの論文が発表された。

 4月上旬には、国立国際医療研究センター(東京)も参加した国際的な臨床研究で、投与された重症患者53人の7割近くで症状の改善がみられたとの論文が発表された。ただ4分の1に腎機能低下などの重い副作用が報告されたほか、今後、十分な量を確保できるかどうかも不透明だという。

アビガン=富士フイルムのウェブサイトより

 日本で開発され増産が開始された抗インフルエンザ薬ファビピラビル(商品名アビガン)については、藤田医科大(愛知)などで臨床研究が進行中。約350人に投与され、2週間後に軽症患者では90%、酸素を補う必要があった中等症では85%、人工呼吸器を付けた重症では61%で症状改善がみられたと研究チームが4月中旬に明らかにしたが、自然に治った可能性もあり、効果の検証は十分ではない。胎児に奇形が出る可能性があるのもこの薬の課題だ。

 ぜんそくの治療に使われる吸入ステロイド薬のシクレソニド(商品名オルベスコ)はウイルスの働きと炎症を抑える効果が期待されているが、深く吸い込む必要があり、呼吸困難の患者にどう使うかという問題が指摘される。

 森島恒雄愛知医科大客員教授(感染症内科学)は「100点満点の薬はない。患者に合わせて使い分けや併用を考えるべきだ」と話している。

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