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□外出時の注意点
買い物や通院、滞在時間短く

外出自粛が要請されている間でも、生活必需品の買い物や金融機関での用事、通院などで出掛ける機会がある。そこで感染しないよう、注意して行動したい。長崎大の泉川公一教授(感染症学)は「出歩くなら感染予防策を取り、なるべく短時間に」と話す。
買い物や日常生活の注意は、米疾病対策センター(CDC)など米国の専門家の助言が参考になる。「体調が悪いときは外出しない」「できるだけ宅配サービスの利用を」が強調される。
買い物に出掛けるのはどうしても必要なときに限り、店舗に入るのもできれば1人に。滞在時間は極力短くする。そのために買い物リストを準備して出掛けよう。

すいている時間帯を選ぶことも大事で、店内では人から約2メートル離れる。買い物中に目、鼻、口は触らないように。マスクを着けていれば、鼻や口は触りにくくなる。店に入るとき、出るときにアルコールで手の消毒を。
金融機関での預金引き出しや支払いも、この機にオンラインの利用を検討するのはどうだろう。
医療機関の受診は、医師の指示を守る必要があるが、病状が落ち着いている患者の受診間隔を延ばしたり、電話で薬の処方に応じたりする施設も増えている。厚生労働省は新型コロナ流行中の時限措置として、初診からオンライン診療を認めることを決めた。対応している所を確認してみよう。通院する場合も、なるべくすいている時間を医療機関に尋ねるなど、工夫の余地がある。
ウイルスを家の中に持ち込まないよう、帰宅後は必ずせっけんで手洗いを。洗面所に行くまでの間にドアノブやスイッチを触ると、そこにウイルスが付着し家族に広がる恐れがある。できれば玄関にアルコールを置き、帰宅時すぐに手指を消毒するか、手洗いの後、先に触った場所を消毒液で拭くといい。
□正しい手洗い
流水で丁寧に20~30秒
新型コロナウイルスの感染を防ぐには、正しい手洗いがとても大切だ。せっけんをよく泡立て、指先や爪の間、手首も忘れずに洗おう。流水で十分にすすぎ、時間は少し長めの20~30秒。「ハッピーバースデー」の歌2回分が目安。せっけんと流水による手洗いは、アルコール消毒と同等の効果がある。
家族がよく触るドアノブやスイッチ、テーブルは、家庭用の塩素系漂白剤を薄めた液に浸したぞうきんで拭き掃除を。濃度は0・05%で、自治体のホームページなどで薄め方を説明している。金属はさびる恐れがあるため、水拭きで仕上げる。刺激が強い薬剤なので家事用の手袋を着用し、部屋の換気もしよう。
台所用合成洗剤も消毒法として有望であることが経済産業省の調査で分かった。新型コロナと性質が似た重症呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスでは、1リットルのぬるま湯に5~10ミリリットル程度を加えた液で2度拭きする消毒法が有効とされている。新型コロナもこれが参考になりそうだ。
□運動不足の解消法
体操習慣で筋肉維持
コロナ危機の終息は見通せず、その上、自由に出歩けないとなると、運動不足やストレスの増加が心配される。適度な運動と、できるだけ規則正しい生活を心掛けたい。

運動不足はすべての年齢層にマイナスだが、悪影響が最も心配されているのが高齢者だ。日本老年医学会の飯島勝矢理事は「高齢期になると筋肉量が落ちるスピードが速い。筋肉の衰えは、骨折や転倒のリスクを高めるだけでなく、免疫力の低下も招く。感染した場合に重症化しやすくなるのは明らかだ」と指摘する。
ラジオ体操やスクワットなどの軽い運動は家の中でもできるので毎日続けたい。雨の日でも好きな時間に運動ができるエルゴメーター(自転車型の器具)をこの機に購入するのも検討に値する、という呼吸器専門医は「習慣的に運動している人は持病があっても元気。ストレスにも強いようだ」と話す。
筋肉の維持に必要なビタミンDは、魚やキノコ類に多く含まれるので意識して取ろう。日光浴は体内のビタミンD増加や精神の安定にも有効とされる。政府の専門家会議のメンバーは「少人数での散歩やジョギングなどは問題ない」と、戸外での適度な運動を勧める。

ただ、スポーツジムなどの休業でジョギング人口が増え、一部の公園などでは混み合っているとの情報も聞かれる。「人と2メートルの距離を取ることを忘れないで」と専門家は呼び掛ける。
離れて暮らす家族や友人との行き来は難しくなるが「こういう時こそ電話で交流を」と飯島理事は勧めている。
□ソーシャルディスタンス
原則2メートル、屋外も注意
新型コロナウイルスへの感染を防ぐために必要なのは、人との接触を減らし、会うときも適度な距離を取ること。せきやくしゃみなどの症状に伴うしぶきだけではなく、会話の際に飛ぶ「つば」からも広がる可能性があるためだ。室内、屋外を問わず、人と話す際は最低でも1メートル、原則として2メートルは離れよう。
2メートルの目安を政府は「互いに手を伸ばしても届かない程度」と説明する。世界自然保護基金(WWF)は、ジャイアントパンダやオランウータン1頭分など、ユニークな方法で啓発している。

政府は(1)換気の悪い「密閉」空間(2)多数が集まる「密集」場所(3)間近で会話や発声をする「密接」場面――を避けるよう呼び掛けている。「3密」が重なるとクラスター(感染者集団)発生のリスクが高まるとされている。
盲点と言えるのが、屋外の「密」だ。外での立ち話や行列、すぐ近くで運動することもリスクを高める。
専門家によると、高熱やせきといった明確な症状がない人から多数に感染が広がった例がある。「自分も誰かに感染させるかもしれない」という前提で行動することが大事だ。
□帰省や飲み会
家族や友人との距離、オンラインで縮めて
普段なら大型連休の主要行事である帰省。親族らとの久しぶりの再会は、実際に移動せず「オンライン帰省を」。政府の専門家会議は4月22日、こんな提案を公表した。
離れた人との会話にはビデオ通話機能を積極的に利用しようという呼び掛けだ。政府が国民に求めた「人との接触を8割減らす」との目標に対し「どうすればいいのか分かりにくい」という声があったのに応えた。
生活を見直す「10のポイント」と題して同会議が示した具体例には、ほかに「オンラインでの飲み会」「遠隔診療」「在宅勤務」もある。
店舗での人との接触を減らすため「買い物は1人か少人数ですいている時間に」。「急ぎでない買い物は通販で」「飲食店での持ち帰りや宅配も」と勧めた。
体を動かす際の留意点としては「ジョギングは少人数で、公園はすいた時間や場所を選ぶ」や「筋トレやヨガは自宅で動画を活用」。あらためて「会話はマスクを着けて」とも要請した。
□マスクの着け方
顔と隙間なく
使い捨ての不織布(サージカル)マスクの不足、政府による布マスクの全世帯配布などマスクを巡る話題は絶えないが、海外でもマスクは大きな関心を集めている。
市民のマスク着用習慣がほぼなかった米国は4月初旬、疾病対策センター(CDC)が「健康な人には不要」としてきた従来見解を変え、市民にマスク着用を勧告した。
無症状の新型コロナウイルス感染者が会話などで飛ばす飛沫(ひまつ)でも他人を感染させる恐れが判明したのを重視したという。医療現場のマスク不足が深刻なため、市民には布マスクを勧めている。
布マスクにどの程度の予防効果があるのか、科学的な証明はないとされるが、感染症に詳しい谷口清州・国立病院機構三重病院臨床研究部長は「米国は少しでも良い可能性があるならやろうということでは」とみる。
ただし布の目は粗いため、予防効果は不織布マスクより劣ると考えられる。また鼻から顎(あご)の下までカバーし、顔との間に隙間(すきま)がないように着けないと効果が不十分なことは知ってほしいという。
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