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スポーツ界支える「卵」温め続けたい 桐生祥秀のトレーナーがオンライン無料講義

後藤勤トレーナー=福井運動公園陸上競技場で2017年9月9日、山崎一輝撮影

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響でスポーツ大会の中止・延期が相次ぎ、選手だけでなく身近で支えるトレーナーも活動の場が減っている。そんな現状に不安を抱えるトレーナー志望の学生らを勇気づけようと、陸上男子100メートルで日本歴代2位の9秒98の記録を持つ桐生祥秀(日本生命)のトレーナー、後藤勤さん(45)がテレビ会議システムで無料のマンツーマン講義を始めた。

「スポーツが止まると、我々の仕事も止まる」

東洋大時代の桐生祥秀(右端)らを支えた後藤勤トレーナー(左端)=福井運動公園陸上競技場で2017年9月9日、山崎一輝撮影

 後藤さんは2012年ロンドン五輪で陸上日本代表のチーフ格のトレーナーを務め、世界選手権にも代表トレーナーとして4回同行した。13年から桐生のトレーナーを務め、16年リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーでの銀メダル獲得や、17年の男子100メートル日本選手初の9秒台達成を支えてきた。

 試合や合宿などに同行して選手のマッサージなどをするトレーナーは、3密(密閉、密集、密接)が避けられない。今春に愛知県岡崎市内で治療院を開業した後藤さんは「スポーツが止まってしまうと、我々の仕事も止まってしまうのがよく分かった」と話す。一方で選手が社会の役に立とうと、家でできる運動などをSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発信するケースも増えてきた。その姿に刺激を受け「自分にも何かできないか。下を向いている人に前を向かせることはできないか」と考え、無料講義をスタートしたという。

「1対1」で深い相談も受け付け

トレーナー志望の学生らにエールを送る後藤勤トレーナーのツイッター

 受講者は自身のフェイスブックで募集し、深い相談もできるように約1時間の講義はテレビ会議形式で「1対1」で行う。最初の約2週間で10人近くが受講するなど順調なスタートを切った。受講希望者にはトレーナー志望の学生や駆け出しのトレーナーが多く、ウイルス感染拡大で学校で授業を受けられなかったり、故障した選手のケアができなかったりと、大半が不安を口にするという。後藤さんは家で専門書を読んで知識を広げること、通常時に戻った際は現場に積極的に足を運んで多くの選手とつながりを作ること、その際に在宅時に深めた知識を生かすことなどをアドバイス。受講者からは「目標にたどり着くまでの道が見えた」などの反応があったという。

 後藤さんは「(感染拡大に伴う景気の悪化で)親の収入が途絶え、物理的にトレーナーを諦める人も出るかもしれない」と危機感も募らせる。「僕が背中を押した人が、いつか日本のスポーツ界に貢献してくれたら」。選手を最前線で支える人材を絶やさないために、テレビ会議での個別講義を続けている。【新井隆一】

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