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新型コロナ「制圧」で独裁正当化か 中国、全人代5月に 習氏の自信と危機感を読む

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北京の天安門広場=中国・北京で2014年11月9日、井出晋平撮影
北京の天安門広場=中国・北京で2014年11月9日、井出晋平撮影

 中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が5月22日に開会することが決まった。当初は3月5日からの予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期されていた。全人代常務委員会が29日、日程に関する議案を可決した。1月20日に習近平国家主席が感染防止の「重要指示」を出してから約3カ月。世界がまだ対応に追われる中、習指導部は感染封じ込めの成果を国内外に誇示する場とする構えだが、未曽有の打撃を受けた経済の「V字回復」に向けた具体策を示せるかが最大の焦点となる。【北京・河津啓介、北京・赤間清広】

「我々の果断な対策は、欧米諸国より優れていた」と宣伝

 開催期間などの詳細は明らかになっていない。全人代常務委は29日の会議で「感染対策の情勢は良い方向に向かい、経済・社会生活も徐々に正常に回復している」として、開催を決めた。

 習氏も27日にネパールのバンダリ大統領と電話協議した際「中国人民は、国情に合った効果的な措置を講じ、苦しい努力を経て最も困難な時期を乗り切った」と、自信を見せていた。

 中国本土は2月半ばまで感染者が連日3000人以上、死者も100人を超えるペースで増加。だがその後は勢いが弱まり、中国政府は3月に流行を「抑え込んだ」と表明。4月8日に感染の中心地だった湖北省武漢市の都市封鎖を解除するなど、全人代の開催に向けた環境整備を進めてきた。

 29日の政府発表によると、14日間連続で感染による死者は報告されておらず、新たな感染者も最近1週間は30人以下で推移している。

 一方、新型コロナを巡っては、習指導部は初動の遅れや情報統制などについて国内外からかつてない批判を受けた。だが、3月に感染の中心が欧米に移ると、当局は「我々の果断な対策は、欧米諸国より優れていた」との宣伝キャンペーンを展開し、巻き返しを狙う。

新型コロナは米中対立に火に油、欧州も情報公開要求

 全人代でも、新型コロナを「制圧」したとして、共産党の独裁体制を正当化するとみられる。最高指導者に権力を集中し、ハイテクを駆使した社会統制を徹底することで、民主主義国家にない「規模、速度、効率」を実現したとする論理だ。

 対外政策も新型コロナに左右されそうだ。中国は既に途上国を中心に約150カ国にマスクなどの医療物資を贈った。こうした「支援外…

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