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記者の目

熊本地震から4年 被災者の苦しみ、今も=城島勇人(熊本支局)

復興住宅の一角に整備された広場のベンチに腰掛けて孤独な胸の内を語る介護ヘルパーの女性=熊本市南区で20日、城島勇人撮影

 最大震度7を2度も観測し、震災関連死を含む275人が犠牲になった2016年4月の熊本地震の発生から4年が過ぎた。熊本県内の市町村は災害公営住宅(復興住宅)の整備を終え、仮設住宅の入居者はピークの1割を切るまでに減った。インフラ被害の象徴だった崩落した阿蘇大橋は21年3月開通の見通しが立つなど、一見、順調に「復興」が進んでいるように見える。しかし、熊本で生まれ育った私は被災者100人に実施したアンケートを通じ、住民が健康や経済的に多くの問題を抱えていることを改めて実感した。「復興」が強調される陰で、今なお苦しい生活を余儀なくされている被災者の存在を忘れてはならない。

 4年前、私は前職の熊本の経済誌の記者で、4月16日午前1時25分に最大震度7の本震が発生した時は熊本市のアパートで寝ていた。暗闇の中、スマートフォンから緊急地震速報が鳴り響き、ベッドが円を描くように激しく揺さぶられた。生まれて初めて死の恐怖を感じた。近くの小学校に駆け込んで廊下で夜を過ごしたが、一夜明けてスマホから飛び込んでくる光景は目を疑うものばかりだった。子供のころから花見をした熊本城の石垣は壊れ、何度も通った阿蘇大橋は崩落。故郷が「被災地」に、自分が「被災者」に。信じたくなかったが、逃れられない現実だった。

 1年後、毎日新聞に転職。熊本支局の記者として震災に向き合うようになり、地震から4年を前にした20年3月に同僚記者たちと共に仮設住宅を出て復興住宅に入った被災者100人にアンケートをしようと思い立った。熊本県内では3月末で復興住宅1715戸の整備が完了し、仮設入居者は17年5月のピーク時(2万255戸・4万7800人)の1割を切る1296戸・3122人にまで減っていた。行政は仮設住宅からの退去を「…

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