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土方がともした現役の炎 マラソン・野口みずきさん 司馬遼太郎「燃えよ剣」

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司馬遼太郎著の「燃えよ剣」を手にする野口みずきさん=2020年4月24日午後2時22分(本人提供)
司馬遼太郎著の「燃えよ剣」を手にする野口みずきさん=2020年4月24日午後2時22分(本人提供)

 主人公で新選組副長・土方歳三の生き様がすごく格好よくて、勇気をもらいました。読んだのは引退前年の2015年ごろ。お付き合いしていた今の夫(52)が司馬遼太郎さんのファンで、薦められました。当時は、全身けがだらけ。本当にぼろぼろで、理想の走りどころか練習もままならない状態でした。

 土方は旧幕府軍として戊辰戦争を戦い、函館の五稜郭で戦死します。でも、どれだけ味方が倒れても、自分の信じた道を貫いた。幕府軍が落ち目になった時、行く末を心配する沖田総司に放った言葉が印象的です。「どうなるかを心配するんじゃない。どうするかを考えろ」と。現役生活をやめようかと迷った時も、最後はこの言葉で踏ん張れました。

 リオデジャネイロ五輪代表を懸けた16年3月の名古屋ウィメンズ(23位)がラストレースになりました。格好よい終わり方ではなかったかもしれませんが、陸上人生を全うできて、これ以上の幸せはありません。目標だった五輪のメダルを取ったことは財産ですが、形には残らないけれど自分の心の成長として築き上げたものも立派な財産です。「燃えよ剣」の影響も受け、本当に名古屋ですべて出し尽くしました。

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