専門家会議、長期戦への覚悟求め提言 「新しい生活様式」定着促す 新型コロナ
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新型コロナウイルス感染症の対策を検討する政府専門家会議が1日、今後の感染抑制に向けた提言を示した。提言は、現時点ではオーバーシュート(爆発的な患者急増)を逃れ、新規感染者数は減少に転じているとして一定の成果を強調した。一方で、この感染症への対応は「長丁場」を覚悟すべきだと訴え、感染防止のための「新しい生活様式」を定着させるよう促している。【金秀蓮、原田啓之、小鍜冶孝志、御園生枝里、小川祐希】
患者減少ペース遅く「緩和したら成果水泡に」
緊急事態宣言の期限の6日を目前に控えた1日、新型コロナウイルスの政府専門家会議は、国内の感染状況について「オーバーシュートを免れ、新規感染者数は減少傾向に転じている」と一定程度評価した。だが、尾身茂副座長(地域医療機能推進機構理事長)は会議終了後の記者会見で「地域で感染が再燃すれば、医療提供体制への更なる負荷がかかる。当面、この枠組みは維持することが望ましい」と述べ、接触削減を続ける必要性を強調した。
同会議は流行の実態を把握するために、1人の感染者がうつす平均人数を表す「実効再生産数」を分析した。実効再生産数は1を上回ると感染が拡大し、1を下回ると感染が縮小へと転じる。3月中旬には2・6だった東京都では、4月1日以降1を下回り、最初に宣言が出た3日後の10日時点で0・5まで低下。全国も2・0(3月25日時点)から0・7(4月10日時点)に下がった。
しかし、3月20日以降に生じた感染者数の増え方のスピードに比べ、減り方は緩やかだ。政府は感染者が急増していた東京や大阪など7都府県に緊急事態宣言を出した4月7日、感染者数を急激に減らすためには「人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減することが必要」としていた。同会議はどれだけ接触機会を減らせたかを分析するため、1人が一定の空間で1時間の間に何人と接触したかを示す「接触頻度」を宣言の前後で比較。東京・渋谷駅と大阪・難波駅では、10、20代は昼と夜のいずれの時間帯でも8割以上減らせたが、30代以上では8割削減に達していなかった。さらに、厚生労働省クラスター(感染者集団)対策班の西浦博・北海道大教授(理論疫学)は、減り方が緩やかな要因として「医療機関や福祉施設など制御が難しいところで感染が多発していること」を挙げた。
感染者数の削減が不十分なままに接触の削減など行動制限が緩んだらどうなるのか。同会議は提言で「緩和後まもなく感染者数の拡大が再燃し、それまでの市民の行動制限の努力や成果が水泡に帰してしまう恐れがある」と訴え、引き続き行動制限を続けるよう求めた。
行動制限緩和に道筋 数値基準は示さず
今回の提言では、感染者数が減った地域で行動制限を緩和する…
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