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時の在りか

「靖国」など日本の戦後をテーマに取材を続けている伊藤智永編集委員が、政治を「座標軸」に鋭く論じます。

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コロナに教えられること=伊藤智永

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ゴルフボール大の実をつけた「ニュートンのリンゴ」=埼玉県蕨市の市民会館中庭で2018年5月29日、鴇沢哲雄撮影
ゴルフボール大の実をつけた「ニュートンのリンゴ」=埼玉県蕨市の市民会館中庭で2018年5月29日、鴇沢哲雄撮影

 ペスト大流行で大学が閉鎖され、田舎で庭仕事をしていた英国の科学者ニュートンは、リンゴの実が木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見した。この有名なエピソードは、半分正しく半分怪しい。

 2度にわたる1年半もの長い休暇中、万有引力、後の微分計算、プリズムの分光実験など生涯最大の業績を三つも成し遂げたのは事実だが、以前から温めていた着想を練り上げたのであって、暇だから思いついたわけではない。生い立ちが複雑で貧しく、まだ23歳と若かったニュートンは、大学では雑用に追われていたのだ(佐藤満彦著「ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿」講談社学術文庫がお薦めです)。

 リンゴの逸話は、フランスの啓蒙(けいもう)思想家、ボルテールの多分作り話だが、天体と小さな果実の取り合わせが楽しく皆に愛された。おかげで、ニュートンの故郷にあったリンゴの木は接ぎ木で代を重ね、日本にも何本か伝わっている。

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