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「困難な時こそ真価問われる」授業開始できない中、学長たちがメッセージ

新型コロナウイルスの感染拡大で入学式が中止になり、ホームページに公開した動画で式辞を述べる東京大の五神真学長=同大ホームページから

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 新型コロナウイルスの感染拡大で多くの大学で本格的な授業開始の見通しが立たない中、学長らがホームページ(HP)で学生向けにメッセージを発信している。未曽有の事態への身の処し方から感染防止策まで、その内容は幅広く、示唆に富んでいる。一部を紹介する。

「正しい情報の見極めは、学問にも通じる」

 「人類は経験したことがない新型コロナウイルスとの戦いのさなかにいる。簡単には終わらない。しかし諦めてはいけない」。東京大の五神真学長は入学式が中止になった4月12日、用意していた式辞をHPに載せた。入学式の中止は学生運動などの影響があった1974年以来。「困難と向かいあう経験は、皆さんの人生にとって財産となり、学びの機会となると確信している」と励ました。

学生向けに時間の有効活用法などを紹介した昭和女子大の坂東眞理子総長のメッセージ(同大ホームページから)

 慶応大の長谷山彰塾長はHPで「誤った情報に惑わされてパニックに陥ることなく、何が正しい情報であるかを見極め、適切に行動する。学問の作法にも通じる」と説く。

 「困難な時こそ真価が問われる。つらいこととして捉えるのか、大きく成長するチャンスと捉えるのかは我々一人ひとりにかかっている」。そう促すのは国際教養大(秋田市)の鈴木典比古学長。大学では国内外の学生が寮で共同生活する。すでに7月までのオンライン授業を決めているが、「一人でも感染者が出ると、すべての講義は即時中止。感染者と接触者を隔離し、使用施設もすべて閉鎖しなければならない」と理解を求めた。

 ベストセラー「女性の品格」などで知られる昭和女子大(東京都世田谷区)の坂東眞理子理事長・総長は、時間の有効な活用方法をHPで紹介している。「今だからできることをするヒント」として、丁寧な掃除、服の手入れ▽家族との会話を多くする▽時間のかかる趣味に挑戦――などを挙げた。ほぼ毎週HPで学生向けにメッセージを発信しており、4月15日には「人生は想定通りには進まない。どんな事態に直面してもその中で生き抜いていかなければならない」とつづった。

永田恭介学長の学生向けメッセージを掲載した筑波大のホームページ

 大阪大の西尾章治郎学長は4月27日に公開した動画で「14世紀のペストの大流行が封建社会を崩壊させた」と感染症が社会転換をもたらした歴史を示し「新たな可能性をポジティブに見いだすことで未来を切り開くリーダーになってほしい」と訴えた。立命館大(京都市)の仲谷善雄総長はHPで「夢や目標から遠ざかっていくように感じられ、不安になっているかもしれない。改めて何を成し遂げたいのかを問い、問題意識を高めてほしい」と呼びかけた。

 自身の専門分野を基にメッセージを送る学長も。ウイルスの増殖など分子生物学を研究する筑波大の永田恭介学長は、ウイルスの変異の仕組みなどを説明した動画を4月6日に公開し、マスク着用や手洗い・うがいの励行を呼びかけた。その上で「自分がウイルスのプロデューサー(生産者)にならない。感染してもスプレッダー(拡散者)にならないように」と念を押す。

 心療内科医で九州大の久保千春学長は「心身のケアの重要性」をテーマにした自身の講演動画をHPにアップした。長引くコロナ禍の影響で、恐怖や不安、倦怠(けんたい)感などの症状が表れやすくなると注意を呼びかけ、対処法として、信頼できる情報に適度に接する▽運動、学習など日常的な活動を定期的に行う▽つながりを保ち、孤立を避ける――などを解説した。【稲垣衆史】

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