ユーチューブやZoom駆使 護憲派と改憲派が持論展開 コロナ禍の憲法記念日

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
憲法記念日に国会前で開かれた憲法集会。新型コロナウイルスの関係で規模を縮小し、動画投稿サイトでライブ配信された=東京都千代田区で2020年5月3日午後1時45分、小川昌宏撮影
憲法記念日に国会前で開かれた憲法集会。新型コロナウイルスの関係で規模を縮小し、動画投稿サイトでライブ配信された=東京都千代田区で2020年5月3日午後1時45分、小川昌宏撮影

 新型コロナウイルス感染拡大の中で迎えた憲法記念日の3日、護憲派と改憲派は、毎年開いてきた大規模集会を中止し、それぞれインターネットで主張を繰り広げた。緊急事態宣言下で非日常が続く中、大規模災害時などに政府の権限を強める「緊急事態条項」を憲法に明記することの是非が主なテーマになった。【金子淳、五十嵐朋子、藤沢美由紀】

「緊急事態条項」是非がメインテーマに 護憲派「不要不急の火事場泥棒」

 護憲派は東京都江東区の公園で大規模な憲法集会を開くのが恒例で、昨年は約6万5000人(主催者発表)が参加したが、今年は国会前での演説を動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信する形に切り替えた。それでも現地では、賛同する市民らが「コロナを改憲に利用するな!」などと書かれた横断幕を掲げ、改憲阻止を訴えた。

 登壇した憲法学者の稲正樹さんは「自民党はコロナ危機の最中に緊急事態条項を憲法に入れろと言っているが、不要不急の火事場泥棒だ」と非難。ジャーナリストの堀潤さんは「今こそ民主主義の底力が試されている。沈黙してしまうと大きな声に従って生きていくしかなくなる」と呼びかけた。

 国会前で演説を聞いていた千葉県習志野市の主婦、清水明子さん(60)は「今こそ私たちを守ってくれる憲法が必要。声を上げなければ、という危機感からここに来た」。東京都北区の福田実さん(72)は「戦争で大変な犠牲を払って平和主義の憲法が制定された。先人のためにも守っていかなければ」と話した。

国家権力をライオン、権力を縛る憲法をおりに例えて…

 憲法を考える講演活動を続ける広島市の弁護士、楾(はんどう)大樹さんは、テレビ会議システム「Zoom」を使ったオンライン講演会を開いた。国家権力をライオン、権力を縛る憲法をおりに例え「ライオンがおりから出ないよう、関心を持ち続けよう」と呼びかけた。

 緊急事態条項を盛り込む改憲案について、楾さんは「おりの鍵をライオンが内側から開けられるようにするのと同じ。乱用の危険があるが、自民党の改憲案には乱用を防ぐ仕組みは書かれていない」と解説。「ここ数年、ライオンがおりを壊す動きが続いている」と指摘した。

 2月末以降、各地で予定していた約60件の講演が中止になり、オンラインでの開催を決めた。

改憲派「この国難、早く改正しなければ手遅れに」

 「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などの改憲を目指す団体も、集会の代わりにユーチューブでトークライブを配信した。安倍晋三首相によるビデオメッセージが流され、憲法学者らが改憲を訴えた。

 同会共同代表でジャーナリストの桜井よしこさんは…

この記事は有料記事です。

残り373文字(全文1456文字)

あわせて読みたい

注目の特集