コロナ禍でロシアやカナダでドーピング検査停止　混乱乗じた違反者出現に懸念も

　新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、スポーツの高潔性や公平性の根幹となるドーピング（禁止薬物使用）検査にも影響が出ている。ロイター通信などによると、カナダとロシアの反ドーピング機関が感染リスクを減らすために検査を一時停止した。混乱に乗じた不正も懸念される一方、国内でも緊急事態宣言の延長でスポーツ再開の見通しが立たず、先行きは不透明だ。

　「感染拡大のリスクを最小限に抑えることを目的とした政府の方針に対応して決定した」。カナダの反ドーピング機関は3月27日、ホームページ上で検査を一時停止した理由を説明した。世界反ドーピング機関（WADA）から東京オリンピック・パラリンピックなど主要国際大会からの選手団除外処分を受け、決定を不服としてスポーツ仲裁裁判所（CAS）に提訴しているロシアも同様の措置を取った。両国とも新型コロナの収束は見え…