いじめで母国語封印した18歳 「生きづらさ」解きほぐしたい…愛知の少年院の試み
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外国にルーツを持つために「生きづらさ」を抱える少年たちがいる。瀬戸少年院(愛知県瀬戸市)では4月から、こうしたつらい過去を持った少年たちが、互いの経験を語り合うグループワークを本格的に導入した。「外国人に生まれてきて良かったと初めて思えた」。この取り組みは、少年たちの心の成長につながっている。
少年院の一室。紺色の作業着を着た15~20歳の5人と教官3人が机を囲む。
「得意なことはなに?」。沼田好司法務教官(36)の問いかけに、フィリピン国籍の少年(18)は「3カ国語をしゃべれること」と答えた。グループワークの参加者らの前で流ちょうな日本語と英語を披露したが、母語のタガログ語になると表情が曇る。「(タガログ語は)いいです」。母語を発することなく口を閉ざした。
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