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余録

2年前に亡くなった俳優座の加藤剛さんが…

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 2年前に亡くなった俳優座の加藤剛さんが、ライフワークとして舞台で演じていた役がある。実在したポーランドのユダヤ人医師で教育者、作家でもあったヤヌシュ・コルチャック(1878~1942年)だ▲ナチス・ドイツに占領されたワルシャワのユダヤ人居住地区で孤児院を運営し、子どもたちの尊厳を守るために奔走した。しかし排斥は強まり、約200人の子どもたちと共にトレブリンカ強制収容所に送られ、ホロコーストの犠牲になった▲舞台は、極限状態でのコルチャックと子どもたちとの心の交流が描かれる。加藤さんの演技の根幹には「子どもは一人の人間として重んぜられるべき存在であるというコルチャックの基本的考えがあったと思う」と共演した息子の頼(らい)さんは振り返る▲コルチャックは自分だけが助かることをよしとせず、救いの手を拒絶し、最期まで子どもたちといることを選んだ。彼の信念と実践は、1989年に国連が採択した「子どもの権利条約」として実を結ぶ▲新型コロナとの戦いで、世界は極限状態にある。そのしわ寄せを受けるのは、またも子どもたちだ。長引く外出自粛や休校措置は心身を不安定にし、学びの機会を奪う。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんも「子どもの権利の危機」と訴える▲きょうは「こどもの日」。子どもたちはコロナ後の未来を担う存在でもある。権利が踏みにじられることがないよう大人は何をすべきなのか。コルチャックの変わらぬ問いかけだ。

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