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新型コロナ 神戸・中央市民病院、院内感染 「疑い患者」対策、一層強化 機能縮小し、治療に注力 /兵庫

院内感染が発生した神戸市立医療センター中央市民病院=神戸市中央区で、本社ヘリから加古信志撮影

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 新型コロナウイルスの治療で重要な役割を果たす神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)で院内感染が発覚し、まもなく1カ月を迎える。5日午後5時現在で入院患者と看護師や医師ら職員計35人の感染が明らかになり、新型コロナの重症者を除く新規の外来や入院、3次救急の受け入れを再開する時期はまだ決まっていない。市民の命を守る“最後のとりで”に何が起きたのか。【反橋希美】

 「無策のまま広がっているということではない。コロナを追い詰める成果が出ている」。4月29日、新たに1人の感染者が判明した際の記者会見で、木原康樹院長はこう述べた。院内感染の全容がおおむね把握できていることを強調した。

 ■半数の棟に感染者

 これまでの院内感染の広がりは深刻だ。

 中央市民病院では感染症病床のあるA病棟で軽症と中等症、B病棟で重症患者を受け入れてきた。もっとも多くの感染者を出したのがA病棟だ。4月8日に初めに感染が分かった70代の女性患者もこの病棟にいた。別の病気で入院し、退院間近に発熱し、PCR検査(遺伝子検査)を実施して陽性と判明。治療で使っていた人工透析室やA病棟に出入りしていた職員や患者を検査したところ、感染の広がりが明らかになった。全18病棟の半数にあたる9病棟と人工透析室、内視鏡センターに関わる人の感染が確認された。

 ■4回陰性から一転、陽性判明

 同病院はエボラ出血熱の患者も受け入れ可能な第1種感染症指定医療機関で、「国際的なガイドラインに従った対応をとってきた」(木原院長)という。感染経路は調査中だが、課題の一つとして挙げられるのが「コロナ疑いの患者」の取り扱いだ。

 院内での感染者のうち少なくとも2人はコロナの疑いがあったが、いずれも当初のPCR検査で「陰性」に。同病院では感染が疑われる患者を受け入れる際、職員らはフェースシールドなどの防護服を着用して対応するが、「陰性」が2回続くと隔離措置から解除していた。1人は2回、もう1人は転院前の検査も含めて4回「陰性」となり、いずれも一般病棟に移った後に陽性と判明した。

 一般病棟に移した判断について、木原院長は「PCR検査に頼り、総合的に臨床で判断しなければ問題が起こる」とPCR検査の限界を認める。その一方で「(一定の基準で)患者を別の棟に移さないと、次の方が入れない。押し寄せてくる新型コロナ患者に対し、どう医療資源を適切に運用するかジレンマにある」と苦渋の表情を見せた。

 ■「コロナ疑い」病棟を設定

 病院は対策本部を設置し、専門家から指導を受けて感染防止の対策を強化している。

 その一つが「コロナ疑い」の患者を収容する病棟を新たに決めたことだ。病院は院内感染が分かった当初から、新型コロナの新規受け入れを重症患者に限定。現在はA、B両棟で計50床を確保した。「コロナ疑い」の患者はこの2棟とは別の病棟で経過観察し、他の患者と分ける隔離的な措置を取る。

 対策本部では毎朝1時間程度、各部署のメンバーが出席する会議を開き、情報共有を一元化した。職員にはささいな体調変化も上司に報告するよう求め、基本的な感染対策の徹底を指示している。

 ■自宅待機扱いでも勤務

 懸念されるのは、献身的に対応する職員らにかかる心身の負担だ。これまでに延べ約280人、5月1日時点も計約60人の職員が自宅待機となった。本来は自宅待機の扱いだった人工透析室の看護師2人が職務の専門性の高さから休めず、防護服を着て勤務を続け、後に感染が分かったケースもあった。病院は月平均で約860件(2018年度実績)をこなしてきた手術も原則として停止し、新型コロナ患者の治療に集中する。

 大幅に縮小した病院機能を回復させるには、院内感染が収束し、神戸市内の感染者が大きく増えないことなどが条件となる。市内では、医療従事者を支援するために民間の寄付を受け付けるファンドも設立された。

 4月29日の記者会見で木原院長は職員の状況について、こう訴えた。「自分たちへの期待や責任を一生懸命理解して、頑張っている。しっかりと応援してやってほしい」

〔神戸版〕

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