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熊本地震

2016年4月14日と16日に発生した熊本地震。最大震度7の激震に2度襲われ、熊本、大分両県で関連死を含めて276人が亡くなった。

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熊本地震で被災、5年ぶり田植え再開へ 古澤さん、揺れる稲穂思い準備 南阿蘇村・沢津野地区 /熊本

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まだ背の低い苗を見つめながら、田植えの日を心待ちにする古澤英治さん
まだ背の低い苗を見つめながら、田植えの日を心待ちにする古澤英治さん

 2016年4月の熊本地震で大きな被害を受けた熊本県南阿蘇村の沢津野(さわづの)地区で、地震でできなくなった田植えを5年ぶりに再開しようと農家が準備を進めている。被災した同地区の農家、古澤英治さん(70)は苗を育てながら、その日を待ちわびている。【山本泰久】

 南阿蘇村の地震被害は、死者31人(震災関連死15人含む)、重傷31人、軽傷120人。全半壊や一部損壊などの建物被害は計2859棟に上る。村北西部の沢津野地区では、田んぼに水を引くための水路が土砂で約90メートル埋まり、その後の豪雨で更に約40メートルが埋まった。取水口も壊れ、田植えが全くできなくなった。

 村は国の補助を受け、19カ所の水路を復旧。沢津野地区でも住民が水路にたまった泥を取り除くなどして20年4月、地震以降初めて水路に水が流れた。古澤啓男区長(70)は「地区では地震の前には41世帯が暮らしていたが、今は35世帯に減った。田んぼだけでなく、家も道路もぐちゃぐちゃになり、何とか一つ一つ復旧・復興していった。田植えは最後になったが、再開は復興の象徴」と語る。

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