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社説

コロナ対策と自治体 国の遅れカバーしている

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 新型コロナウイルスの感染対策を巡り、地方自治体による独自の施策や発信が活発化している。

 危機管理は国が原則を示す必要がある。だが、実際には自治体が多くの役割を担っている。国は地方の工夫や発想を柔軟に取り入れ、建設的関係を築くべきだ。

 今回、地方の一連の対応は、国に一歩先行した印象を与えた。

 北海道は2月末時点で外出の自粛要請に踏み切った。東京都は休業した業者に対する協力金制度を考案した。軽症者のホテルでの療養の原則化も、大阪府は早くから取り組んでいた。

 その一方で、緊急事態宣言の発令過程では、国と地方の間で混乱もみられた。業者への休業要請について政府と東京都が対立して時間を浪費したのは、その典型だ。

 感染対策を定める改正新型インフルエンザ等対策特措法は、国が基本計画を作り、知事に大筋で運用を委ねる。だが、実際は権限があいまいだったり、規定が実態にそぐわなかったりする部分もある。今後、見直しは必要だろう。

 だからといって、国の統制をいたずらに強めるような方向の議論には賛成できない。

 前例のない事態に、自治体は比較的柔軟に対応している。「休業補償は無理」と一辺倒の政府をよそに、都発案の協力金制度は多くの道府県に広がった。国が出遅れたPCR検査も和歌山、山形両県などは積極実施を工夫している。

 現場から具体的なニーズをくみ取り、小回りがききやすいためだろう。一方、中央官庁の対応には、どうしても縦割りや硬直性がつきまとう。

 地方は分権とともに、広範な実務を担ってきた。多くの首長が今回、自分の言葉で住民に状況を語りかけている。国と地方の総合力が近づいてきたことも、今回の対応に反映しているのではないか。

 もちろん、危機管理における地方の独自対処には限界がある。国の責任丸投げや、首長が地域エゴに走る懸念もある。地域で利害が対立するテーマで、国の調整が必要な場面が増えてくるだろう。

 それでも、非常時においても地方の多様性がプラスに作用している意味は大きい。政府は地方の役割を尊重し、意思疎通を心がける姿勢を忘れてはならない。

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