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社説

陸上イージス配備 立ち止まり考える機会に

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 陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を秋田市の陸上自衛隊新屋(あらや)演習場に配備する計画が見送りになった。

 地元の強い反対を踏まえて方針を転換した。当然の判断だ。

 北朝鮮の弾道ミサイルを、地上の高性能レーダーで探知し、迎撃ミサイルで撃ち落とすシステムである。西日本では、山口県の陸自むつみ演習場に置く方針だ。

 周辺の住民は、レーダーの強い電波が体や生活に与える影響を不安に思っている。有事の際に、他国からの攻撃の標的になりかねないという懸念も訴えてきた。

 防衛省は、東日本では新屋が「唯一の適地」と結論付けたが、その調査報告書には重大な誤りが多数見つかった。直後の住民説明会では職員が居眠りをしていた。

 政府は秋田県内で別の配備先を検討する方針だ。しかし、ずさんな調査や不誠実な態度で地元の納得が得られるはずがない。

 日本のミサイル防衛は、海上のイージス艦が発射する迎撃ミサイルと、地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」の二段構えだ。

 陸上イージスの導入が決まった2017年当時、北朝鮮は頻繁に弾道ミサイルを発射していた。しかし、イージス艦は4隻しかなく、日本海での常時警戒は負担が重かった。

 このため、地上にも同じようなシステムを配備して態勢を強化することを決めた。その後、イージス艦は増え、一部が訓練や整備中でも日本海に常時配備できる8隻態勢に近づいている。

 陸上イージスは、システムの価格が当初想定より大きく膨らんでいる。2基の配備と運用には5000億円超かかるとされている。米国製武器の購入を迫るトランプ米大統領の圧力が影響したと指摘されている。

 運用開始は早くても25年度以降とみられ、急速に進むミサイル開発に対応できるのかという問題もある。北朝鮮は従来型とは異なる変則的な軌道の弾道ミサイルを開発している。現在のシステムでは撃ち落としにくいとされる。

 安全保障政策は、不断の検証が必要だ。陸上イージスを配備して巨額の費用に見合う効果があるのか。これを機に、計画の妥当性を改めて考えるべきだ。

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