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橋爪大三郎・評 『折口信夫伝 その思想と学問』=岡野弘彦・著

『折口信夫伝 その思想と学問』

 (ちくま学芸文庫・1760円)

 日本民俗学を偉大な学問たらしめた折口信夫。柳田国男の蔭(かげ)にかくれがちな実像を、晩年の足かけ七年を身近に過ごした岡野弘彦氏がまとめた浩瀚(こうかん)な伝記である。

 折口は大阪の篤信の浄土真宗の家に生まれ、天王寺中学に進む。家庭の事情で≪少年期から青年期にかけて…痛々しいほどの自虐的な苦悩≫を抱えて過ごす。後年何人かの弟子とは≪世間では常識的なホモセクシュアリティの関係≫と考えられる間柄となった。孤独な想像力を膨らませ、≪天才的な古代への遡源(そげん)力や復元力に基づく学問≫を独創していく。歌人・釈迢空(ちょうくう)としてもアララギ派の流れをくみ、生涯和歌を詠み続けた。

 最初の仕事は『口訳万葉集』。万葉集の歌を一首ずつ、咀嚼(そしゃく)し口語に直していく。心性を古代と同調させないとできない仕事だ。

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