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社説

航空業界への支援 国民が納得できる展望を

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 コロナ禍で旅客需要が激減し、航空会社が苦境に陥っている。政府は税金などの支払い猶予や政府系金融機関の融資で支援するが、感染拡大が長期化すれば、経営環境のさらなる悪化は免れない。

 国内の航空大手は、政府の支援やコスト削減で当面の資金繰りにめどを付けたものの、毎月数百億円規模の資金流出が続く。借金ばかりが増えて、経営の基盤が揺らぐ事態にも発展しかねない。格安航空会社(LCC)は、財務基盤に不安を抱える。

 そもそも航空会社は、機材費や人件費など急には削減できない固定費の比率が高く、需要の急減に弱い。既に豪州などの航空会社が破綻した。これまでも、米同時多発テロやリーマン・ショックが破綻や再編の引き金となった。

 業界団体はさらなる悪化を見据え、政府保証付きの融資などを求めている。経営再建のシナリオには、公的資金を使った資本増強も含まれよう。

 航空路線は重要な交通インフラだ。政府のインバウンド政策とも密接に関係し、路線の存廃は地域経済に大きな影響を及ぼす。

 料金やサービスを適正に保つためにも、企業間の競争が維持される状態が望ましい。感染が収束してある程度需要が回復するまで、政府や金融機関の支援で企業と雇用を救うことには意義がある。

 ただ、安易な救済はモラルハザードにつながる。日本航空が2010年に破綻したのは、経営悪化のたびに金融支援で延命し、抜本的な対策を先送りしたためだ。

 コロナ禍で仕事の仕方や余暇の過ごし方が変われば、需要低迷が長期化する可能性もある。米国の著名な投資家ウォーレン・バフェット氏は、航空業界の将来を悲観して航空会社株を売却した。

 経営者は、市場縮小への備えや、需要の急減に耐えられる体質改善の展望を示す必要がある。感染収束後に政府が需要喚起策を打つとはいえ、政策に頼ってばかりで経営危機が続くようでは困る。

 規制緩和やLCCの参入で、空の選択肢は増えた。政府が業界を丸抱えで救済する必要性は薄れている。追加の支援が必要になった場合、政府や航空会社は、国民の利益になるかどうかの観点から検討し、丁寧に説明すべきだ。

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