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波のまにまに

“よそ者”への社会的圧力=戸田栄

 <途中、ところどころの村の入り口に立て札があった。

 ――物乞い旅芸人村に入るべからず。>

 「伊豆の踊子」を読んでいて不意に胸をつかれる場面である。緑が濃い伊豆の山々や渓谷を縫っての旅の途中、主人公の青年の心にきざす踊り子への思慕を描く名作だが、当時、踊り子ら旅芸人には偏見の目があり、川端康成はその様子も余さず記している。美しい物語と裏腹にある、人間社会のリアルが私には印象深かった。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国から外出自粛が要請される中で、ある町ではやって来た他府県ナンバーの車を傷つける嫌がらせがあった。疑心暗鬼が高じてのことらしい。それにしてもと暗たんたる気分になり、伊豆の踊子に出てくる門を閉ざした村が頭に浮かんだのだった。

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