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女の気持ち

心の港 北九州市若松区・安元洋子(パート・69歳)

 桜雨の中、始発バスのヘッドライトが、次第に大きく近づいてきた。18歳の私の旅立ちの朝である。

 「行ってきます」。発車寸前、見送りの母が黙って、くしゃくしゃの紙切れを私に握らせた。最後尾の座席に座って振り返ると、手ぐしで髪を整えるような仕草をする母。その姿も点となり、ようやく渡された紙切れを広げてみた。

 「石の上にも三年。どんなことがあっても三年は辛抱しなさい」との2行の言葉。見送りは母だけで、父はこの朝、目覚めると既に姿はなく、父親っ子だった私はそれが悲しくて、白みかけた窓の外を見ながら泣いていた。前夜、父が私に掛けた言葉を思い出す。

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