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スミレの香り

/290 馳星周 画 田中靖夫

 

 わたしは看護師からリードを受け取ると、その場にしゃがんだ。飛びついてくるカムイを優しく抱きしめた。

 カムイは痩せて、肋骨(ろっこつ)が浮き出ている。手術のために傷口の周辺の毛が刈り取られているのが痛々しい。

「本当に強い子ですね」

 わたしの背後に立っていた獣医師の島田が言った。

「術後、ケージの中にいるときも、気丈な顔をして声ひとつ立てなかった。藤井さんが必ず迎えに来てくれると信じていたんでしょうね」

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