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社説

与党の家賃支援案 規模もスピードも足りぬ

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 コロナ対策として、与党が中小事業者向けの家賃支援案をまとめ、政府に提言した。

 政府の緊急事態宣言に伴い、多くの飲食店や小売店が長期休業を余儀なくされている。特に中小事業者の家賃負担は重く、廃業に追い込まれかねない。公的支援で手当てする必要がある。

 与党案は、自民党の主張に沿って、収入が大幅に減った事業者に対し、月50万円を上限に、家賃の3分の2を半年分支給する。だが、これでは不十分だ。

 50万円は東京都の平均家賃というが、飲食店などは平均より高い場合が多い。とりわけ都心は高額で負担も重くなる。

 福岡市など一部の自治体は独自に家賃の8割を補助している。与党案の3分の2は少なすぎる。

 手法にも問題がある。政府系金融機関などの無利子・無担保融資を利用して事業者がまず家賃を払い、その後に政府から支給を受ける流れになっている。

 全国で個別の事業者が一斉に申請すると、手続きが混乱して、支給に長時間かかる恐れがある。

 神戸市は家賃を減額した大家に補助を出す方針を決めた。大家は複数の事業者分をまとめて申請できる。この方が効率的だろう。

 与党案は、公明党の主張を踏まえ、家賃を独自支援している自治体への交付金拡充も取り入れた。

 家賃の水準や事業者と大家の距離感などは地域によって異なる。自治体に配分する財源を増やせば、地域の事情に応じた、きめ細かな対応ができるようになる。

 野党も既に共同で法案を提出済みだ。政府系金融機関が家賃を肩代わりし、支払いを1年程度猶予する。将来的には減免も検討する。資金繰りに困っている事業者を迅速に救済できるという。

 家賃の支援はただでさえ遅れている。政府は6月にも支援を始めたい意向だが、緊急事態宣言の発令から2カ月以上も後になる。これ以上遅れると事業者の窮状はますます深まる。

 安倍晋三首相はきのうの国会の集中審議で、与野党の議論を踏まえて検討する意向を示した。首相は自民党の主張にこだわらず、事業者の不安をなくす最もふさわしい手法を採用して、早急に支援策をまとめるべきだ。

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