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なぜ福井県民は1世帯100枚のマスクを買えるのか 遅れるアベノマスクとの落差

福井県民に配布されたマスク購入券=福井市内で

 安倍晋三首相が全世帯に2枚ずつの配布を表明した布マスクは、不良品が相次ぎ、一部の企業が回収に追われるなどして配布が遅れている。厚生労働省によると、12日正午現在で配布が始まっているのは東京都、大阪府、福岡県のみで、10道府県が今週から配布予定、残り34県は準備中だ。巨額を投じた「国策マスク」がなかなか届かない一方で、福井県は独自に4月19日、県内全世帯に100枚分の「マスク購入券」の配布を表明。約60万箱をスピード調達し、県民の購入も進んでいる。素早い取り組みはどうして可能だったのか。【上東麻子/統合デジタル取材センター、岩間理紀/福井支局】

 「マスク不足に困っている県民向けに何かできないか」。知事から、県創業・経営課の担当者に指示があったのは、4月第2週だった。マスクの輸入販売を手掛けていた県内企業のフジコンコーポレーション(鯖江市)に相談したところ、「大量の仕入れが可能だ」という。しかし、商品を店に置いただけでは買い占めが起こり、お年寄りや小さな子ども連れが買えない。「だれもが買えるように」と購入券の発行を思いついた。「無料にすべきだ」という声もあったが、不要な人もいるため、購入するかどうかは県民が選択できる形にし、むだな費用負担を抑制。「県民に行き渡らせるなら、箱単位で配らないと役に立たない」と1世帯で最大100枚買えるようにした。

 マスクの調達についてはフジコンと京都の業者に依頼し、販売は県内全17市町で64店舗を持つドラッグストア「ゲンキー」にお願いした。フジコンが割安で調達し、ゲンキーが自社の利益を上乗せせずに販売することで価格を抑えた。

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残り1745文字(全文2432文字)

上東麻子

1996年毎日新聞入社。佐賀支局、西部本社、毎日小学生新聞、東京本社くらし医療部などをへて2020年から統合デジタル取材センター。障害福祉、精神医療、差別、性暴力、「境界」に関心がある。日本新聞協会賞を受賞したキャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班。共著に「強制不妊」(毎日新聞出版)。散歩とヨガ、ものづくりが好き。

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