新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請を解除する動きが地方を中心に広がってきたが、その中には学校の一斉休校は当面延ばすという判断をした自治体も少なくない。学校再開が遅れる背景にはどんな事情があるのか。【大久保昂、稲垣衆史】
宮城県は大型連休明けの7日から、遊興施設やスポーツ施設など県内の約3万カ所に出していた休業要請や協力依頼を一斉に解除した。4月29日以降は県内で新たな感染者が確認されていないことを踏まえた判断だ。
解除の対象には小中学校や高校も含まれるが、宮城県教委は、5月末まで県立学校の休校延長を決定し、公立小中学校の設置者である県内の市町村にも同様の対応を要請した。県教委の担当者は「『再開してほしくない』という保護者の声も少なからず寄せられている。校内でいわゆる『3密』を避けるための方法など、感染防止策を講じるための準備期間が必要」と説明する。当面は、学年などで登校日を分けて密集を避ける「分散登校」で様子を見ながら、6月からの再開を目指す。
7日から休業要請の段階的な解除が進む熊本県。既にパチンコ店やバー、マージャン店などへの休業要請が解除され、いまも休業の対象となっているのはキャバレーやナイトクラブなど「3密」が避けられない業種に限られる。蒲島郁夫知事は解除に踏み切る理由について「県も店も立ちゆかなくなる」と県内経済への配慮をにじませた。
一方で県教委は、4月27日に決定していた5月末までの県立学校の休校方針は変更せず、5月中は分散登校で学習状況を確認しながら再開に向けた準備を進める。担当者は「学校を再開すれば原則として子どもたちは出席しなければならない。行くか行かないかを選べる飲食店とは事情が異なる」と説明する。
これに対し、文部科学省は休校と経済活動の自粛は一体で行うことが望ましいとの立場だ。政府の専門家…
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